小泉八雲朗読のしらべ アメリカ公演「怪談―恐怖の底より聴こえる救いの呼び声」

チラシ(PDF: 8.4MB)

「小泉八雲朗読のしらべ」は、日本を代表する俳優・佐野史郎と世界的なギタリスト・山本恭司によって2007年に松江で始まった朗読パフォーマンスで、毎年新たなテーマで上演されています。今年で13年目を迎えるこの朗読は、文学と音楽を融合させたきわめてユニークな芸術文化資源となりつつあります。

この朗読パフォーマンスは、2014年にハーンの母の故郷ギリシャで、2015年には父の故郷アイルランドで海外公演を果たし、大きな反響を呼びました。近年、ハーンのオープン・マインドなまなざしが現代社会の文脈の中で再評価され、新しい文化資源として文化創造の活動に活かされていることから、この朗読パフォーマンスもその大きな潮流の中に位置づけることができます。

ラフカディオ・ハーンを敬愛する佐野が八雲作品を紡いで脚本を構成し、これに山本のギターをベースにした「音」が加わり、繊細な心の機微を映し出しながら物語の起伏をさらに際立たせていきます。こうしてハーンの世界を具現化していく二人の公演は、新しい文学の表現方法として注目されています。

公演では、ラフカディオ・ハーンの曾孫で民俗学者の小泉凡がレクチャーをつとめ、ハーンが描いてきた日本とアメリカの基層文化の本質的な理解と今後の日米文化交流の在り方を模索していきたいと思います。

ハーンは、生涯にわたって「語り部」と交わりながら80話以上もの再話作品を紡いできましたが、その集大成が代表作『怪談』として結実したと言えます。かつてアイルランドで「佐野の語りは音楽、山本の音楽は語り」のようだと評されたその深遠なイマジネーションの世界を、ハーンの真骨頂とも言える怪談を通して、アメリカ市民に体感していただきたいと思います。

また、長年「小泉八雲朗読のしらべ」に題字を提供してきた、書家の七澤菜波による墨書アートのパフォーマンスをニューヨークにおいて開催し、日本の「書」の精神とハーンの精神が共鳴する新たな展開を期待するものです。


開催時期・場所

ニューヨーク公演
2019年10月24日(木)7:30pm
ジャパン・ソサエティー
333 East 47th Street, New York, NY 10017
https://www.japansociety.org/event/kwaidan-2
観覧料:ジャパン・ソサエティー会員$25、ゲスト$30
ジャパン・ソサエティ招聘事業
協賛:オリックス・コーポレーションUSA

シンシナティ公演
2019年10月27日(日)2:00pm
シンシナティ美術館
953 Eden Park Drive, Cincinnati, OH 45202
https://jasgc.org/event-3476629
観覧無料

ニューオーリンズ公演
2019年10月29日(火)7:00pm
テュレーン大学
7018-7098 Plum Sreet, New Orleans, LA 70118
http://www.japansocietyofneworleans.org/event-3446889
観覧無料
松江・ニューオーリンズ友好都市提携25周年記念

原作
小泉八雲

出演
小泉凡(講演・監修)
佐野史郎(朗読・脚本)
山本恭司(音楽)

主催
八雲会

共催
松江市

協力
ジャパン・ソサエティー
ジャパン・アメリカ・ソサエティー・グレイター・シンシナティ
シンシナティ日本研究センター
アメリカ・ハーン・ソサエティー
ニューオーリンズ・ジャパン・ソサエティ
テュレーン大学

後援
在アメリカ合衆国日本国大使館
島根県
ニューヨーク日本商工会議所

助成
日本万国博覧会記念基金

Lafcadio Hearn Reading Performance 小泉八雲 朗読のしらべ

Lafcadio Hearn Reading Performance 小泉八雲 朗読のしらべ. 762 likes. 小泉八雲・朗読の夕べ「稀人―彼方より訪れしもの」佐野史郎、山本恭司 Lafcadio Hearn Reading Performance “Maraudo – Visitors from the World Beyond” by Shiro Sano and Kyoji…


出演者

佐野史郎

俳優。島根県松江市出身。

1975年、劇団シェイクスピア・シアターの創立に参加。1980年、劇団状況劇場(唐十郎主宰)に移籍。退団後、1986年林海象監督「夢みるように眠りたい」で映画主演デビュー。1992年テレビドラマ「ずっとあなたが好きだった」(TBS)のマザコン男“冬彦”役が社会現象となる。1999年、映画「カラオケ」で初監督。2006年、植田正治の写真をモンタージュした映像作品「つゆのひとしずく」(DVD/2006年/東映アニメーション)を監督。アレクサンドル・ソクーロフ監督「太陽」、カン・ジェギュ監督「マイウェイ」など海外作品にも出演。チェコのイジィ・バルタ監督によるラフカディオ・ハーン原作「雪女」ではプロデューサーとして名を連ねる。

ギターの山本恭司とは松江南高校の同級生である。

山本恭司

ミュージシャン。島根県松江市出身。

15歳でギターをはじめ、18歳でヤマハ・ネム音楽院に入学。その頃より天才ギタリストとしての呼び声高く、在学中にBOWWOWのリード・ギタリスト、リード・ボーカリストに抜擢される。デビュー当時は、キッスやエアロスミスとのツアーが大きな話題を呼び、豪快で圧倒的なサウンドとギターテクニックにより常に日本のロック・シーンをリードしてきた。その後、VOW WOWを結成しロンドンをベースにヨーロッパ、アメリカで約4年間活動。イギリスでチャートインするなど海外での評価も高く、海外有名アーティストへの影響力も大きい。

バンド活動以外にも、ギター・インストゥルメンタル・アルバムのリリースやジャズ・フュージョン系ミュージシャンとのセッション、アコースティックの弾き語り、最近では俳優・佐野史郎との「朗読のしらべ」の音楽を担当するなど、他アーティストのプロデュースに至るまで、その幅広い音楽性を武器に世界の音楽シーンで活躍している。

小泉凡

小泉八雲記念館館長・焼津小泉八雲記念館名誉館長・島根県立大学短期大学部名誉教授。東京都出身。

成城大学・同大学院で民俗学を専攻後、1987年に松江へ赴任。妖怪、怪談を切り口に、文化資源を発掘し観光・文化創造に生かす実践研究や、小泉八雲の「オープン・マインド」を社会に活かすプロジェクトを世界のゆかりの地で展開する。俳優・佐野史郎、ミュージシャン・山本恭司との「朗読のしらべ」に参画。2017年7月、日本・アイルランドの文化交流貢献で外務大臣表彰。主著に『民俗学者・小泉八雲』(恒文社、1995年)、『怪談四代記―八雲のいたずら』(講談社、2014年)ほか。小泉八雲曾孫。日本ペンクラブ会員。